冬のグランピング、ちょっと気になる。でも、寒くないのかな。そう思って、予約の手前で止まっていませんか。
夏とはまた違う、冬だけのアウトドアリゾートの魅力と、寒い季節を安心して楽しむための準備をやさしくご紹介します。
夏と冬のコントラストでグランピングが2倍楽しめる


グランピングの旅と聞くと、夏の日差しや夕方まで外で遊ぶ子どもたちの姿を思い浮かべる方が多いでしょう。日が長く、外で過ごせる時間もたっぷりある。アウトドアらしさをいちばん分かりやすく感じられるのは、たしかに夏かもしれません。
けれど、アウトドアリゾートには、秋から冬にしか出会えない特別な時間があります。「夜長」です。だからこそアウトドア最大の魅力である「焚き火」が最高の季節。非日常の極み、炎を眺め、火を囲む楽しみはかけがえのない心豊かになる経験。そして、冷えた体で温泉に浸かったときの思わずこぼれるため息。そして、都会では味わうことができない驚くほど近く無数に広がる星空のステージ。
夏は、涼しさを求めて自然の中へ出ていく旅。冬は、自然を眺めながらぬくもりに包まれる旅。同じ施設でも過ごし方も心に残るものもまったく違います。
アウトドアは表裏一体。夏と冬のコントラストを知ってしまうとやめられなくなりますよ。
冬にしか出会えない、5つの時間
ホテルではけっして味わえない「焚き火」の醍醐味。


夏の焚き火は、少し離れて眺めるもの。冬の焚き火は、自然と輪が小さくなり、手をかざしたくなるものです。
ぱちぱちと薪がはぜる音を聞きながら、家族や仲間と肩を寄せて火を囲む。会話が途切れても、炎を眺めていれば気まずくなりません。焚き火のそばにいるだけで、「ここに来てよかった」と思える。それが冬の夜です。
食後に焼くマシュマロも、冬にはいっそう甘く感じられます。夏は暑くて敬遠しがちな火のそばが、冬は特等席に。これはホテルの旅では絶対に味わえないアウトドアリゾートだからこその特権です。
青空、満天の星、一年でいちばんソラが澄んでいる


空気が乾いて澄む冬は、日中の青空も格別。
日が沈むのも早いので、夕食を終えるころには、もう頭上に星空が広がり始めています。夏は子どもが眠ってしまう時間まで待たなければならなかった星空を、冬なら家族そろってゆっくり見上げることができます。
温かい飲みものを片手に、ブランケットにくるまって夜空を眺める。それだけで「冬を選んでよかった」と記憶に残る一夜になるでしょう。
夏の「虫が苦手」から、解放される季節


「夏、あの虫さえいなければ」
実はこれでアウトドアを避けている人が非常に多いといいます。逆を言うと、近年、冬のアウトドアに出かけるのがあたりまえになったのはこれが最大の理由だったりします。
虫が理由で夏のアウトドアを我慢したみなさん。冬の今こそ快適なグランピング体験のチャンスですよ。
お風呂が、もっと楽しくなる


冷えた体で入る温泉やサウナの心地よさは、夏とは比べものになりません。
滞在中に何度でも入れる温泉を備えた施設なら、夕方に一度、寝る前にもう一度、そして朝風呂と、一日のうちに何度もぬくもりを味わえます。外の冷たい空気と湯の温かさを行き来する時間は、冬だからこそのぜいたくです。
「今日はお風呂に入りに行く旅」。冬は、そんな目的でもいいんじゃないでしょうか。
冬のグルメとイベントが格別


クリスマスシーズンがあったり、年末年始の特別イベントがあったり、秋の終わりから冬にかけてのアウトドアリゾートには季節限定の楽しみがたくさん出そろいます。これを楽しみにして訪問するリピーターも少なくありません。
そしてグルメも。湯気の立つ鍋を囲む夕食、冬の夜にゆっくり味わうワインや熱いコーヒー。
同じ施設でも、夏に訪れた場所へ冬にもう一度行くと、まるで別の旅に出たように感じるはずです。
冬の不安を事前に解消
冬の魅力を知ると、次に気になるのは「実際、寒くないの?」という点。よくある疑問に、ひとつずつお答えしましょう。
Q1. テントの中は寒くないの?


A. 思っているより、ずっと暖かく過ごせます。
多くのグランピング施設では、テントやドームにエアコンが備えられています。さらに冬のあいだは、ストーブやホットカーペット、ブランケットを追加で用意している施設もあります。
そもそも厚手のコットン素材のテントたちは思う以上に保温性が高く、エアコンを入れると思う以上にしっかり暖まります。ただし、設備や寝具の内容は施設によって異なり、外気温や天候によっては室内でも寒さを感じることがあります。
ご予約前に暖房設備や冬用の寝具について確認し、暖かい部屋着や靴下などをご用意いただくと安心です。
Q2. では、寒さを感じるのはどんなとき?
A. テントの「外」で過ごす時間と、「移動」のときです。だから重ね着。
冷えを感じやすいのは、夜のBBQや焚き火の時間、お風呂への行き帰り、そして夜中のトイレへの移動です。
そのため冬の服装は、「レイヤー=重ね着」と「さっと羽織れるもう一枚」を準備するのが基本です。室内ですぐ脱げて、外へ出るときにすぐ羽織れる上着。これがしっかりしていれば冬のアウトドアはぐっと快適になります。
Q3. ほかに気をつけることは?
A. 暖房による乾燥と、営業期間の確認です。
暖房を入れた室内は、同時に空気が乾きやすくもなります。加湿器を貸し出している施設もあるので、気になる方は確認しておくと安心。
また、施設によっては冬季にグランピングを休止したり、一部の体験やイベントを休んだりすることがあります。気になる施設が見つかったら、営業期間、暖房・防寒設備、食事内容、夜に利用できる施設を事前に確認しておきましょう。
Q4. 初めてのグランピングが冬でも大丈夫?
A. 準備さえ知っておけば、冬から始めても大丈夫です。
夏の経験がなく初めてが冬という方もきっといらっしゃるでしょう。無理に冬を選ぶ必要はありません。気候の穏やかな季節から始めるのも、自然な選び方ですから。
ただ、焚き火や温泉、星空に心が動いたなら、それは冬を選ぶむしろ十分すぎる理由になります。この記事でお伝えした準備をしていただき、ぜひ思い出深いアウトドアのリゾート旅にしてください。
冬に忘れがちな持ち物チェックリスト
□ パジャマ(寝間着の用意ありなしを事前確認。フリースなど重ね着になるものも考えておくといいでしょう)
□ さっと羽織れる上着(夜のトイレやお風呂の行き帰りに)
□ 厚手の靴下・ルームシューズ(足元の冷え対策に)
□ ニット帽・ネックウォーマー・手袋(焚き火や星空観察の時間に)
□ 保湿クリーム・リップ(室内暖房の乾燥対策に)
□ 使い捨てカイロ(屋外で長く過ごす日、また就寝時の足元の温めに。施設が用意しているところもあります)
□ 綿素材の上着(化学繊維は焚き火の火の粉で穴があきやすいこともあります)
無理をする必要なし。「コテージ」という選択があります


冬の魅力は分かったけれど、それでも少し迷う。そんな方もいらっしゃるでしょう。
「小さな子どもがいるから、夜のトイレのたびに外へ出るのは心配」。「祖父母も一緒だから、寒さで体調を崩さないか気になる」。「自分は人一倍の寒がりだから」。そうした気持ちは、とても自然なものです。
そんなときに思い出してほしいのが、コテージです。トイレや浴室が客室の中にあり、建物そのものの安心感があるコテージなら、冬でも家にいるような感覚で過ごせます。それでいて、窓の外には森や牧場、冬の星空。一歩外へ出れば、焚き火も、星空も、施設の楽しみはグランピングと同じように味わえます。
アウトドアリゾートのコテージは、思いのほか選択肢が豊かです。吹き抜けのある2階建て、くつろげるひろいリビング、なかには専用のサウナを備えた特別な一棟など、施設ごとに個性があります。冬季はグランピングを休んでいても、コテージは営業している施設もあります。
グランピングか、コテージか。それは、我慢するか、しないかの選択ではなく、同じ冬の自然をどの距離から味わうか、そういうアプローチでいいと思います。
寒さがあるから、温かさが旅になる冬のアウトドアリゾート


冬のアウトドアリゾートは、寒さを我慢しに行く場所ではありません。
吐く息の白さ、凛と冷えた朝の空気、夜空いっぱいの星。その冷たさがあるからこそ、焚き火の炎も、温泉の湯も、湯気の立つ食事も、いつもよりずっと特別になります。
夏に一度訪れたことがある方には、ぜひ、違う季節の顔を見てほしいと思います。まだ一度も行ったことがない方は、冬の一泊から始めてみるのも深い思い出作りになるかもしれません。
寒さがあるから、温かさが旅になる。そんな冬の過ごし方を、アウトドアリゾートで見つけてみてください。
編集部より
冬のアウトドアリゾートの旅でおすすめしたいのは、「寝る前の、5分間の星空」です。
暖かいテントから一歩外へ出ると、思わず肩をすくめるほどの冷たい空気。でも、そのまま顔を上げてみてください。家の近くでは見えなかった星が、驚くほどたくさん瞬いています。さっきまでもきれいだと思っていたのに、もっと。上着を一枚羽織って、寝る前に5分だけ夜空を見上げる。それだけで、冬の一泊の忘れがたい一シーンになることでしょう。
夜中にトイレへ行くとき、これがさらにチャンス。周囲は寝静まり遠い街灯りも消え一層星が増えています。まるでプラネタリウム。「はぁ」と思わずため息が出るはず。トイレに立ったらこんな副産物に巡り合うとは(笑)。
