グランピングの写真を見て、「家族で行ってみたい」「仲間と過ごしたら楽しそう」と思う。けれど、予約画面を開いて料金を見ると、少し手が止まってしまう。そんな経験はないでしょうか。
テントやドームに泊まるのに、ホテルより高く見えることもあります。家族全員分を計算すると、想像していたより大きな金額になることもあります。「楽しそうだけれど、本当にこの金額を出す価値があるのかな」と迷うのは、ごく自然なことです。
その答えを、食事代や体験料を足し算するだけで説明することはできません。アウトドアリゾートは、客室の中だけでなく、到着してから翌朝までの時間そのものが、旅の中心になるからです。
一泊の料金と、そこで生まれる一日の価値は、同じ景色ではありません。
まずは数字から少し離れて、アウトドアリゾートで過ごす一日を思い浮かべてみましょう。
正直にいえば、ホテルより高く見えることもあります

旅行予約サイトでホテルとグランピングを並べて見ると、グランピングの方が高く感じられることがあります。ホテルは素泊まり、グランピングは夕朝食付きで表示されているなど、条件が違う場合もありますが、条件をそろえても、グランピングの方が高くなることはあります。
ですから、「食事や体験が付いているから、実は安い」と無理に考える必要はありません。高いと感じたときは、その感覚をそのまま持っていてよいと思います。
ただ、ホテルとグランピングでは、同じ一泊でも、その場所で過ごそうとしている時間が少し違います。料金を比べる前に、まずそこを見ておくと、自分たちの旅に合っているか判断しやすくなります。
同じ「一泊」でも、過ごしている時間は少し違います

ホテルは、観光やレジャーを楽しんだあとに戻り、食事をして眠る場所になることがあります。もちろん、ホテルの中でゆっくり過ごす旅もありますが、旅の目的が施設の外にあることも少なくありません。
一方、アウトドアリゾートでは、宿泊先へ到着したところから、その日の体験が始まります。チェックインを済ませたら、子どもは外へ遊びに行き、大人はテラスでひと息つく。夕方になれば、みんなでBBQを始め、食後は温泉や焚き火へ向かう。
翌朝も、目を覚ましてすぐに出発するのではなく、外の空気を感じながら朝食をとったり、敷地内を散歩したりする。宿泊先そのものが、旅の目的地になっています。
同じ「一泊二日」でも、ホテルでは客室を拠点に周辺を巡り、アウトドアリゾートでは、その場所の中で一日がつながっていく。この違いが、料金表だけでは見えにくいところです。
アウトドアリゾートでは、客室の外までが「滞在の舞台」

グランピングの客室は、テントやドームの中だけで完結していません。扉を開けた先のデッキ、夕食を囲むBBQスペース、子どもが走る芝生、火を眺める焚き火の場所まで、すべてが滞在につながっています。
夜になれば、温泉へ向かう道や、頭上に広がる空も旅の一部になります。朝は、森の音や風の温度が、いつもの朝とは違う時間をつくってくれます。
客室の広さやベッドの数だけを見ていると、アウトドアリゾートで過ごせる時間の多くが、比較の中から抜け落ちてしまいます。
ここでいう「滞在の舞台」とは、施設が完成した過ごし方を用意するという意味ではありません。家族や仲間が、それぞれの時間を過ごしながら、一日の物語をつくっていける場所という意味です。
食事も、遊びも、休む時間も。一日の中でつながっていく

アウトドアリゾートでの時間は、食事、体験、温泉などを別々に数えるより、一日の流れとして考える方が、その魅力を想像しやすくなります。
午後に到着し、子どもと自然体験へ参加する。夕方になったら、みんなで火を囲んでBBQを始める。食後は温泉へ入り、夜には焚き火の前で話す。翌朝は、外の光を感じながらゆっくり朝食をとる。
どれか一つだけが特別なのではありません。前の時間が次の時間につながり、一日の中にいくつもの場面が生まれていきます。
BBQが単なる夕食ではなくメインアクティビティになるように、温泉も、散歩も、外で何もしない時間も、その日のストーリーをつくる一場面です。
誰と行くかで、その一日のストーリーは変わります
子どもと過ごす一日
子どもにとっては、広い芝生を走ったことや、初めて火を囲んだことが、客室の設備以上に心に残るかもしれません。大人にとっても、夢中になって遊ぶ姿をゆっくり眺められた時間が、旅の思い出になります。
仲間と過ごす一日
みんなで食材を焼き、火を囲み、普段より長く話す。誰かが計画したイベントがなくても、同じ場所で同じ時間を共有するだけで、いつもの食事会とは違う一日になります。
パートナーと過ごす一日
観光地を次々と巡らなくても、景色を見ながら飲み物を楽しみ、夕食をつくり、静かな夜を過ごす。予定を詰めないことが、二人の旅の豊かさになることもあります。
三世代で過ごす一日
全員がずっと同じ行動をする必要はありません。子どもと親が遊んでいる間、祖父母は客室やテラスで休み、食事の時間になったら、またみんなで集まる。それぞれのペースが一つの一日に共存できることも、アウトドアリゾートのよさです。
アウトドアリゾートで主役になるのは、施設そのものではありません。そこで過ごす人たちと、その人たちの間に生まれる時間と考えるとよいでしょう。
予定を詰めなくても、一日が成立します

旅行へ行くとなると、「どこへ寄るか」「何を体験するか」と、予定をたくさん入れたくなることがあります。
けれど、アウトドアリゾートでは、何もしない時間も一日の中に自然に入ってきます。テラスで飲み物を飲む。子どもの遊ぶ姿を眺める。火が小さくなるまで話す。朝、少し早く起きて外を歩く。
こうした時間は、予約画面の「体験一覧」には載っていません。いくつのサービスを利用したかでは測れませんが、あとから振り返ったとき、旅の中でいちばんよく覚えている場面になることがあります。
自然は、何かを教えたり、楽しませようとしたりするわけではありません。ただ、風や光、火、空の広さが、そこにいる人たちの時間を少しゆっくりにしてくれます。
料金表には映らない時間を、どう見るか
グランピングの料金が高いか安いかを、食事や温泉、体験の金額だけで割り切ることはできません。同じ場所でも、到着が遅く、翌朝早く出発するなら、割高に感じることがあるでしょう。
反対に、時間通りに到着して施設の中でゆっくり過ごし、BBQや温泉、焚き火、朝の時間まで楽しむなら、客室で眠る以外の時間にも、その場所を選んだ意味が生まれてきます。
どちらが正しいということではありません。周辺観光を中心にしたい旅と、宿泊先で一日を過ごしたい旅では、合う宿泊方法が違うだけです。
料金を見るときは、「いくら得か」だけでなく、自分たちがその場所で、どのくらいの時間を過ごしたいかも一緒に考えてみる。それが、アウトドアリゾートを選ぶときの一つの見方でもあります。
予約前に、自分たちの一日を想像してみましょう
料金表を細かく比べる前に、今回の旅で過ごしたい一日を思い浮かべてみてください。
□ 何時ごろ到着し、翌日は何時ごろまで過ごしたいか
□ 夕食までの時間を、誰とどのように過ごしたいか
□ 子どもや同行者が、いちばん楽しみにしていることは何か
□ BBQ、温泉、焚き火、自然体験など、旅の中心にしたいものは何か
□ 全員で過ごす時間と、それぞれに休める時間の両方をつくれそうか
□ 雨の日でも、施設の中で一日を楽しめそうか
□ 施設の外へ出かけなくても、ここで過ごしてみたいと思えるか
その一日が思い浮かんだあとで、食事、体験、温泉、追加料金などを確認すると、必要なものと、使わないものが見えやすくなります。
高いプランを選ぶことが、よい旅につながるわけではありません。自分たちが大切にしたい時間に合う施設を選ぶことが、いちばん大切です。
グランピングは、「一泊」ではなく「一日」を選んでいる



ホテルを予約するとき、私たちは「どこに一泊するか」を考えます。けれど、アウトドアリゾートで思い出に残るのは、客室で眠った時間だけではありません。
子どもと自然の中で遊んだ午後。仲間と火を囲んだ夕食。温泉のあとに見上げた夜空。何も予定を入れず、ゆっくり過ごした朝。
それらがつながって、一つの旅になります。
そう考えると、グランピングの料金は、客室に泊まるための「宿泊代」というよりも、自然の中で一日を過ごすための「リゾート1日券」に近いのかもしれません。
そこで用意されているのは、完成された一日ではありません。自然に支えられながら、家族や仲間と自分たちだけのストーリーをつくるための舞台です。
もしみなさんがそこに旅の目的を置くならば、きっと自然豊かで体験が溢れるグランピングは「価値ある場所」だと決断できることでしょう。
編集部より
そうは言いながら少しでも「おトク」なプランが探せればそれに越したことはありません。施設ごとに四季折々様々なプランが提案されることがあります。特にそれらは各HPのニュースやトピックスなどに発表されるので要チェックです。
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